良書の名フレーズ 備忘録
実家に帰って部屋を整理していたら、10年前くらいに書き留めていた読書ノートが出てきた。
結構ボロボロになっていたので、ロストする前に備忘録的にサルベージ。
正しい抜き出しかどうか不安な面もあるが、とりあえずそのまま記録してみる。
ソクラテスの弁明 - プラトン
- 死を脱れることは困難ではない。むしろ悪を脱れることこそ遥かに困難なのである。それは死よりも疾く駆けるのだから。
- 彼らは人間の追求すべきものを追求せず 何の価値もないくせに、ひとかどの人間らしい顔をしている。
- 友人よりも金銭を貴ぶと思われるよりもさらに不名誉なことがどこにあろうか。
- 彼らには人を賢くする力も愚かにする力もない。
- 一番大切なのは単に生きることそのことではなくて、善く生きることである。
読書について - ショウペンハウエル
- 自分で考えた結果獲得した真理は生きた手足のようなもので、それだけが真に我々のものなのである。
- 書物から読み取った他人の思想は、他人の食べ残し、他人の脱ぎ捨てた古着に過ぎない。
- 誰にもわからないように書くほどたやすいことはなく、逆に重要な思想をだれにでも自然にわかるように書くほど難しいことはないのである。
罪と罰 - ドストエフスキー
- 凡人は、保守的で、行儀がよく、言われるままに生活し、服従するのが好きな人です。
次郎物語 - 下村湖人
- 広い家にはいると、急にすべての人間が自分から遠のいてしまうような気がして、妙な肌寒さを感じた。
- 「死ねば何もかも終わる」ということは「死ななければ何一つおしまいにはならない」ということ
- たくさんの幸福に恵まれながらたった一つの不幸のために自分を非常に不幸な人間だと思っている人もあるし、不幸だらけの人間でありながら自分で何かの幸福を見つけ出して勇ましく戦っている人もある。
- 運命を喜ぶものだけが正しく伸びる。そして正しく伸びるものだけが運命に勝つ。
- 自分より強いと思っていたものに一度勝つと、そのあと善くなる人もあるが、かえって悪くなる人もある。
- 自分は強いとうぬぼれたら、それは弱い証拠だからね。
- しかし間違いはあとからあとからと新しく生じてくる。いつまでたっても完全に間違いのない世の中になる見込みはないんだ。
- 信というのは、悪魔の足でも、洗ってやればそれだけ奇麗になる、と信じることだ。その反対に、どうせ悪魔の足だ。きれいになるはずがない、と思うのが不信だ。
- 自分が一段高い所に立って、人を救ってやるというような気持ちになったんでは、人を救うどころか、かえって世の中をみだすだけだ。
- つまり日本の役人は、権力という天井にぶら下がって、床の上を歩く国民の迷惑なんかおかまいなしに、足をぶらぶらさしているようなもんだよ。
- 血書なんか書く人の中には、血書の目的に興奮しているよりか、血書そのものに興奮している人が、よくあるものだよ。つまり血書を書くことに変な誇りを感じるんだね。そういう人に限って、自分の血書を何か神聖なもののように考え、血書さえ書けば世間は何でも聞いてくれると思いたがるものだ。
- ほんとうに一本立ちになった人間は、人のおだてに乗らないだけではなく、自分のおだてにも乗らない人間だよ。
- 生徒というものは、自分たちのために先生が命を捨てるまでは、その先生を偉い先生だとは思わないものだ。
- 教育の軍隊化は教育の自殺だと思うが、教育者自身の中にこれをかえって喜んでいるものがある。それは規律という口実の下に生徒を安易に制御することができるからだ。
- 諸君の良心が健全であろうとなかろうと、時代は行くところまで行くだろう。それは必至の勢いだ。少数の力を以てはもうどうにもならないほど時代は傾いてしまっている。その傾きを直そうとしてあせればあせるほど、かえってその下敷きになるばかりだとさえいえる。だから、諸君の良心も今は時代を直すには大して役には立たない。しかし、それ以上傾きようがなくなる時代にこそ、目に見えて役に立つのだ。
- 二人には、一般の塾生活指導者にありがちな自己陶酔ということが微塵もなかった。次郎の目にはすばらしい成功だと映ることも、二人にとっては常に反省の資料であり、検討の余地を残すことばかりだった。
- とかく世間では、意地をはって心にもないやせがまんをするのを、鍛錬だと思いがちだが、それは鍛錬の本筋ではない。
- また山林を開拓するに、大なる木の根はそのままにして、周りを切り開くべし。2年3年すれば、木の根は自然と朽ちて、簡単に取れる。
- やるべき時に、しっかりやりさえすれば、そのほかの時のずぼらは大目に見てもらえるんだから、それで取りかえしがつくなんて平気で言う者がありましてね。それをきいて、ぼくは、気の毒になってしまいました。
ポンペイ最後の日 - リットン
- 幸福すぎると、かえって悲しくなるのかな
破戒 - 島崎藤村
- 何が辛いと言ったって、用がなくて生きているほど世の中に辛いことは無いね
- できることを辛抱するのは辛抱でも何でもない できないところを辛抱するのが真実の辛抱だ。