社会人が見ても面白い受験サプリ・教養としての歴史エピソード
最近、受験サプリというWebサービスをよく利用しています。 受験をする予定はないですが、講師のレベルが高いとの評判を聞いて試してみたところ、これが存外教養としても面白かったので使い続けています。 数十分の動画ごとに分かれていて、高速再生もできるのが嬉しいところ(自分はほぼ全て高速で再生してます)。 もちろん、受験対策のための授業なので、方便として過度に受験制度を持ち上げたり、それ以外にも受からせる為の言動がちょっといただけないなと思う部分もありますが、社会人ならそこは差し引いて見ていればいいですし、月1000円では安すぎるくらいに価値のあるサービスだと思います。 このクオリティの高さは、自分が高校生のころにこれがあれば、自分の人生も少しは変わっていたかもしれないな、という思いを抱いてしまうほどです。
例えば、英語と歴史系の講義などは単体で月1000円払っても良いほどで、なるほどな、と思わされる箇所が多くありました。 中でも世界史は、自分が過去に受けた世界史の授業とは全く面白さが違う素晴らしい講義でした。何でも講師は16歳のころから世界を旅している人で、今までに研究をしながら100カ国以上巡ったのだとか。 講義を聴いていて気づきや発見などをメモしたものをそのまま載せてみます。続きからどうぞ。
ただのメモ書きの集まりなので、あまり体裁は整ってないですがご容赦を。80個くらいあります。
- 古代から、戦争が多いほど民主的になる歴史をたどっていった。なぜなら誰でも活躍の機会があり、活躍したら発言権が強まるから
- 貨幣経済もまた誰でも商売のチャンスがあったため民主化を推し進めた
- 独裁者は民主的状況からしか出ない
- 戦争に女性が使われた→女性の発言権が増す→婦人参政権
- 民主主義とは衆愚制であり、「民」という漢字は目をつぶした形をし、見る目がないことをあらわす
- 文化が栄えるには紙が必要だった
- 古代は生殺与奪が最大の娯楽だった。コロッセオで人間と獣を戦わせ、人間が負けたらその人間を殺すかどうかを観客に決めさせる
- 世襲の君主制を王朝という
- 2000年前の小麦は現代の石油並みの重要度だった
- メシア(ヘブライ語)=キリスト(ギリシャ語)
- イエスはメシアだ=キリスト教 そうではない=ユダヤ教
- 右のほほをたたかれたら左のほほを差し出せ≠暴力の忍耐 右手で相手の右のほほをたたく=暴力ではなく、侮辱、つまり侮辱への忍耐を意味する
- 人々が反乱を起こすのは仕事がないとき
- ルーマニア=ロマニア=ローマ
- 家族制度が崩壊すると、親への敬意がなくなり、国家への敬意がなくなる→すると統治が難しくなる
- 世界史の半分はヘロドトスと司馬遷が書いている=古代の歴史はほぼこの2人の記述に頼っている
- 昔の中国の税収の大半は直接税でなく間接税の塩の専売によるもの
- ↑の値段が高いので密売が流行った
- 中国史はトルコ史でもある 突厥・トルコ人が支配していたから
- 西暦1000年時点の世界の人口のトップ 中国 開封・コルドバ・カイロ・バグダート
- 東南アジアはイスラム前までは西高東低(西のほうが勢力が強い)
- 過度な平等は規範を奪うことがある
- スペイン王国が誕生したことにはまだイベリア半島にはイスラム王朝が存在した
- イスラム国(IS)はカリフを復活させることを主張している
- カリフが存在したのは...正統カリフ時代 ウマイヤ朝 アッバース朝 マムルーク朝 セリム1世以降オスマン帝国 トルコ共和国 そして1924年に廃止された
- バルト三国というと3つだが、バルト系民族はラトビア・リトアニアの2国のみ、エストニアはアジア系
- 「民族」などというのは実際にはフィクション。染色体レベルではオランウータンまで同じ。人間に違いはない
- フランク人→フランス・ドイツ・イタリア アングロサクソン人→カナダ・アメリカ・イギリス G7はこれプラス日本
- クリスマスツリーというのは西ヨーロッパの要素 12/25は冬至 太陽を求める ローマの休日
- ムハンマドなくしてカールなし(=イスラーム・ノルマン人・マジャール人の侵入によって西ヨーロッパが成熟した)
- EUのための条約が結ばれたマーストリヒトは、カロリング家発祥地(おなじヨーロッパの一員としてのアイデンティティの確認に最適だった)
- 中世ヨーロッパはイスラムに押されて内陸へ固定化、その地域の人が一生で会う人間の数は、現代人が1日出会う人間と同じくらい(50人くらい)
- ダイヤモンドの取引の8割がアントワープ(シャンパーニュ地方)による
- イギリスフランスは時代とともに中央集権になっていくが、ドイツは逆に地方分権になっていく
- 11世紀から12世紀にかけて、皇帝(政治のトップ)より教皇(教会のトップ)のほうが強くなっていく
- ロンバルディア同盟の中心ミラノはイタリアから独立しようとしている
- イギリスは赤の他人に突然支配されたことで国として統一し、富が集中し、産業革命が成功し、英語が商業で使われ、世界語になった
- イギリスは最初の王朝もその次の王朝も、大陸(フランス)側に中心があった
- 写真撮るときのブイサインは、イギリスの弓攻撃隊が2本の指が無事であることを示すのが由来 捕まると弓を引けないように敵に指をはぎとられた
- 15世紀に百年戦争でイギリスは大陸領を失った
- モンゴル人は妊婦が子供を生んで最初に見たものを子供の名前にするという
- カラコルム(=黒い石畳の道)
- ユーラシア = Europe + Asia = Eurasia
- オゴタイが死ななかったらモンゴルが全ヨーロッパを支配していたかもしれない(ドイツはイタリア政策、フランスはカペー朝、いづれも弱い)
- フビライは中国好き
- ペストはモンゴルの風土病、中国大陸において、元の時点では人口1億2000万人だったのにペストを経た民の人口は6000万人
- 1368年 中国 明という王朝名はペストという闇に対する光を意味する
- スパイス=スペイン語で薬局
- 香辛料は昔、教会が扱っていた。食料品としてでなく、命に関わるものとして
- 10世紀はシーア派の世紀、13世紀はモンゴルの世紀、14世紀はペストの世紀、15世紀は大航海時代、17世紀はオランダの世紀
- 18世紀は啓蒙の世紀、19世紀はナショナリズムの世紀、そして20世紀は戦争の世紀。21世紀は…
- 両税法は780年から1580年まで最も中国で長く続いた税法
- 新疆ウイグル自治区は独立運動をしているが、容赦なく処刑される。現在、世界で死刑にかかる人は年間8000人くらいだが、7割は中国。
- 西はパン・東はご飯が主食。パンよりコメのほうが生み出しやすいので、アジアに人口の多い国が偏在する。
- ユーゴスラヴィア(=ユーゴ・南の スラヴ人)
- ルネサンスという言葉は19世紀の歴史家が初めて使った。ルネサンス=再び生まれる。古代ギリシャ・ローマが。
- 聖職者は全体の2%にもかかわらず聖職者の犯罪は全体の23%
- 免罪符は銀を集めてマインツの大司教を買収するのが狙いだったといわれる
- 神聖ローマ帝国は300以上の領邦からなる
- プロテスタントはカトリック側からの呼び方で、プロテスタント自身はevangelical church、福音教会と呼ぶ
- カリスマ=神の過分の親切による無償の賜物
- ルター派は仕事は原罪、カルヴァン派は仕事は神の賜物。という発想の違いがあるので、プロテスタントの国家ほうが年収がよい。EUのpiigsのほとんどはカトリック
- イギリスのカルヴァン派がアメリカという国を作った
- 主権=無制限の権力
- ルイ14世に王権神授説を吹き込んだのはヴィシュエ
- prime minister = ミニストル(ラテン語) = ディアゴノス(ギリシャ語)= 1つの場所から1つの場所へ=総理大臣はパシリ
- ロシアはヨーロッパの要素をあまりにも敏感に取り入れたため、最初の共産主義の国になった
- 産業革命は毛織物の改良から始まった
- 産業革命期の平均寿命は19歳。5~8歳から働き始め、1日のうち2:30から22:30まで働く
- 現代のような、フランス、ドイツというような国民国家による人々の区別をするようになったのはWWI以降。それまではヨーロッパに国というものは無く、王家のみがあった
- 20世紀の人殺しワースト4 毛沢東 スターリン ヒトラー ポルポト あわせて1億人 WWI/IIの合計は7000万人
- 1845年からじゃがいもの大飢饉があった
- 1803年から2001年までアメリカ本土への攻撃はなかった
- 日本が主権を取り戻したのは1952/4/28
- サウジアラビア=サウード家によるアラビア ハーシム家はトルコの血が入っていて純アラブではない
- ギリシャ、ローマ、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココ
- モンゴル帝国は騎馬遊牧民、元々草原限定だったが、馬の蹄を保護する靴を発明してから石畳の道も馬で通れるようになり、強大になった
いかがでしたでしょうか。多くは受験には出ない雑談・余談として話されたものですが、こういうものこそが世界史を理解するためには大事なことじゃないかと思います。 これを読んで面白いと感じられる人には受験サプリを試してみることをぜひオススメします。面白いですよ。