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気まぐれに大まかに生きるブログ

フランス語の基礎文法ざっくりまとめ

解説というより学習記録に近いが、自分が感じたことを含めてまとめてみた。(執筆時点のフランス語力:仏検3級)

概要

話者地域

フランス全体、ベルギーとスイスのフランス隣接地域、カナダのケベック州と、コンゴマダガスカルなどのアフリカの旧植民地 各国での文法の差はそれほどない

使用文字

  • ローマ字26種の大文字小文字全52種(a-zA-Z)
  • oとeの合字 œ (発音は、唇を突き出してeの音)
  • セディーユ ç (音はsと同等)
  • アクサンデギュ é
  • アクサングラーヴ èàù
    • èは、「エー」と伸ばして発音することを表すことが多い(例外:près - ~の近くで、 très - とても、など)
    • àùは、発音の差はなく、同じつづりの別の単語と区別するために記号が乗っけられている 例:
      • a(avoirの3単現) ー à(英語のto, at, in, onなどの役割を持つ前置詞)
      • ou(または) ー où(英語のwhere) (ìòはフランス語にはない)
  • アクサンシルコンフレックス âîûêô (厳密には発音に差があるが、だるいので省略)
  • トレマ ïüë アルファベット通りの発音をさせる (Noël ノエル - クリスマス)

発音

  • ベースはアルファベット通りに
  • hは外来語以外発音されない
  • 末尾の子音は発音されないことが多い(ただし、c,f,l,rは発音されることのほうが多い)
    • cflr以外の例外:fils フィス - 息子、tous トゥス - みんな(名詞として使う場合。形容詞として使う場合は「トゥ」)
  • rの発音は、うがいをするときのように、喉の奥でかすれた音を出す(IPA発音記号:ʁ)
  • oi = オワ croissant クʁォワッサン
  • ai, ei = エ
  • eu = エとウの中間
  • y = 直感的には、直前にiを補う
    • crayon = クʁェィヨン(craiyon) ×クʁァヨン
    • voyage = ヴォワィヤージュ(voiyage) ×ヴォヤージュ
  • il = ュ soleil ソレイュ - 太陽
  • in = アン
  • ci, ce のときはs、ca, cu, coのときはk
  • gi, ge のときはdg、 ga, gu, goのときはg
    • beige ベージュ
  • ch = sh chat シャ - 猫、 chic シック - しゃれた、 Aichi アイシ - 愛知県
  • gn = ny agneau アニュー - 子羊、 bourgogne ブルゴーニュ
  • an, en = アンとオンの中間 croissant クʁォワッ「サ」ン ~ クʁォワッ「ソ」ン
  • ou = 唇をはっきり突き出して「ウ」 bonjour △ボンジューʁ 〇ボンジュゥゥーʁ

リエゾン

  • 発音されない末尾の子音が、次の単語の母音と隣接したとき、条件付きで、その末尾の子音の発音が復活する
    • hから始まる場合も、無音のhならリエゾンする(有音のhならリエゾンしない)
    • ただし、s,xはz、dはtとして発音される
      • pot au feu ポトフ(pot on the fire)
      • Champs-Élysées シャンゼリゼ(シャン「エ」リゼではない)
      • deux heures ドゥズゥーʁ - 2時
      • quand on カントン - 誰かが~のとき when you

リエゾンのルール

  • 必ずする:限定詞(冠詞/指示形容詞/所有形容詞)+名詞、主語+動詞、命令形+中性代名詞(en, y, le)、補語人称代名詞+動詞
  • してはいけない:etのあと、名詞+形容詞、huit/onzeの前、有音のh

それ以外はどちらでもいいが、多ければ多いほどフォーマル

有音のhと無音のh

フランス語のhから始まる単語は、有音のhと無音のhに分類される。 リエゾンなどの対象になるのが無音のh、対象にならず、独立して読むのが有音のh

リエゾンしちゃうとなにがなんだかわかんなくなっちゃうものは有音になっていると思われる。

リエゾンについての体感

リエゾンがないと、わりと母音が連続することになるが、母音が連続すると、発音しにくいのと、子音が無さ過ぎてなんか物足りない感じがするので、リエゾンをやっているような気配がする

アンシェヌマン

発音する子音が、次の単語の母音と隣接したとき、1単語のようにつなげて発音する(英語のリンキングに似ている)

読み 意味 英語の場合
il est イレ 彼は~である he is

エリズィオン

アンシェヌマンするとき、一部の単語は末尾のeを'(アポストロフ)に変えて空白を入れずに書く

元の表現 実際の表現 読み 意味
le + homme l'homme ロム その男性

文法

名詞の性

フランス語は全ての名詞が男性名詞か女性名詞のどちらかになる

法則1 自然の性

単語 意味
père 男性名詞
mère 女性名詞

法則2 語尾の形

男性名詞が多い 女性名詞が多い
-ge, -er, -in, -al, -il, -eau, -ment -té, -ée, -ce, -de, -te, -re, -le, -ne, -tion

法則3 その他

名詞の複数形の作り方

  • 末尾にsを付ける(発音はされない)
  • 末尾がs,z,xのときはそのまま(単複同形)
  • パターンによる特別な変化もある
語尾(単数) 語尾の複数形 例(単数) 例の複数形 意味
-eau -eaux bureau bureaux オフィス、机
-al -aux journal journaux 新聞

例外:

単数形 複数形 意味
œil yeux
travail travaux 仕事

など

冠詞

英語だとa/theだけが冠詞だが、フランス語では性数に合わせてそれぞれ3種類に変化する

不定冠詞

男性 女性
単数 un une
複数 des des

冠詞

男性 女性
単数 le la
複数 les les

人称代名詞

1人称 2人称 3人称男性 3人称女性
単数 je tu il elle
複数 nous vous ils elles
  • jeはエリズィオンして j' となることがある
  • オンラインのチャットなどでは ' すらも省略して javais のように書く人もいる (本来は j'avais)

フランス語のbe動詞 être

1人称 2人称 3人称
単数 suis es est
複数 sommes êtes sont
1人称 2人称 3人称男性 3人称女性
単数 je suis japonais tu es japonais il est japonais elle est japonaise
複数 nous sommes japonais vous êtes japonais ils sont japonais elles sont japonaises
  • 女性であるelle, ellesのときはjaponaise(s)になる
  • jeやtuなどの場合も、その人が女性ならjaponaiseになる
  • 主語が複数形の場合、構成員全員が女性の場合のみ女性形、1人でも男性がいれば男性形

英語のhaveに当たる動詞avoir

英語のhave同様、複合時制を表すのに非常によく使われる

1人称 2人称 3人称
単数 ai as a
複数 avons avez ont

動詞の人称活用

-erで終わる動詞(もっとも多い)

1人称 2人称 3人称
単数 -e -es -e
複数 -ons -ez -ent
  • 単数の1・2・3人称すべてと、3人称複数はすべて同じ発音
  • 活用しない元の形を不定形という。これ自体は「~すること(to ~)」のような意味になる
    • Je joue. - 私は遊ぶ
    • Je veux jouer. - 私は遊びたい (veuxは英語のwantにあたるvouloirの1人称単数形)
    • raison d'être - レゾンデートル、存在する理由 (中身はraison de être. de=英語のofに該当)

-irで終わる動詞で規則的なもの

1人称 2人称 3人称
単数 -s -s -t
複数 -issons -issez -issent
  • -er形と異なり、3人称複数だけ子音が増えてる関係で発音が異なる
  • partir型、attendre型、prendre型など、単語の後ろの音節を削ったうえでこのような変化をするタイプもある

pouvoir(できる/can), vouloir(したい/want)の場合

1人称 2人称 3人称
単数 -x -x -t
複数 -ons -ez -ent

1・2人称単数の語尾がxになり、語幹も少し変わる

否定

  • 動詞を ne pas で挟む
    • Je ne joue pas. - 私は遊ばない
    • Je ne veux pas jouer. - 私は遊びたくない
  • 口語ではneはよく省略される
    • Je joue pas. - 私は遊ばない

pas以外の否定形

表現 意味 英語の該当表現
ne ~ rien 何も~ない nothing
ne ~ jamais 決して~ない never
ne ~ guère ほとんど~ない almost
ne ~ plus もはや~ない anymore
ne ~ personne 誰も~ない no one
ne ~ que ~しかない、 ~にすぎない nothing but

ne~queだけ意味が大きく違うので注意。que以降は存在するもの、あるものが続く。肯定的な意味。

疑問形

3通りの表現方法がある Tu joues.を疑問形にする場合...

方法 結果
肯定文の最後に?を付ける Tu joues ?
Est-ce queを付ける Est-ce que tu joues ?
英語のようにSVを倒置させる Joues-tu ?

(ceは英語のitにあたる「それ」)

  • フランス語では、!,?などはスペースを入れて置く
  • Est-ce queのqueはエリズィオン対象
    • Est-ce qu'il joue ? - 彼は遊ぶ?
  • il,elleを倒置するときは言いやすいように間にtを入れる
    • Joue-t-il ?
    • Joue-t-elle ?
  • ils,ellesのときはtは入れないがentのtを使ってリエゾンする
    • Jouent-ils ? (ジュティル)
    • Jouent-elles ? (ジュテル)
      • ジュ「エ」ティルにならないように注意。あくまでentは発音しないのがベースで、リエゾンでtだけ復活させる

否定形で倒置疑問文の作り方

  • 倒置されたものをひと固まりとしてそれをne-pasで挟む
    • Ne jouent-elles pas ? - 彼女たちは遊ばないの?

疑問への答え

  • Tu joues ? - 君は遊ぶの?

    • Oui, je joue. - うん、僕は遊ぶ。
    • Non, je ne joue pas. - いいや、僕は遊ばない
  • Tu ne joues pas? - 君は遊ばないの?

    • Non, je ne joue pas. - そう、違うんだよ。僕は遊ばない
    • Si, je joue. - そんなことあるもんか、僕は遊ぶよ

否定疑問への答え方は日本語とは反転しているので注意。

形容詞

  • 形容詞は基本的に名詞の後ろに付ける
    • C'est un gâteau vert. - それは緑のケーキです。
  • 対象の名詞が女性名詞の場合は形容詞も女性形に(基本的にeを付ける)
    • C'est une fleur verte. - それは緑の花です。
  • 複数ならsも付ける

    • Ce sont des gâteaux verts. - それらは緑のケーキです。
    • Ce sont des fleurs vertes. - それらは緑の花です。
  • 一部、前に付ける形容詞もある

    • bon, mauvais, grand, petit, jeune, vieux, beau, joli, nouveauなど
      • C'est un bon gâteau. - それは良いケーキです。

特殊な女性形

語尾によっては女性形は特殊な変化をする

語尾 女性形 例の女性形 意味
-f -ve naïf naïve 馬鹿正直な、純朴な
-eux -euse heureux heureuse 幸せな
-c -que public publique 公共の
-g -gue long longue 長い
一部の子音 子音を重ねる bon bonne 良い

例外:

男性形 女性形 意味
beau belle 美しい
nouveau nouvelle 新しい
vieux vieille 年老いた
blanc blanche 白い
frais fraîche 新鮮な
sec sèche 乾いた

など

男性形の例外

beau, nouveau, vieuxなどの形容詞は、続く名詞が母音(または無音のh)で始まる場合、言いやすいように特殊な形に変化したうえでアンシェヌマンする

通常の男性形 特殊な男性形
beau bel
nouveau nouvel
vieux vieil

名詞の前の形容詞+複数形+不定冠詞=de

  • Ce sont des gâteaux verts. - それらは緑のケーキです。
  • Ce sont de bons gâteaux. - それらは良いケーキです。

ただしこのルールは口語ではあまり守られていない

部分冠詞

不可算名詞の不定冠詞は、部分冠詞になる

男性 女性
du de la
  • C'est un verre de vin rouge. - それはグラス1杯の赤ワインです。
  • C'est du vin rouge. - それは赤ワインです。
  • C'est un verre de bonne bière. - それはグラス1杯の良いビールです。
  • C'est de la bonne bière. - それは良いビールです。

ただし、男性部分冠詞duのあと母音(または無音のh)が続くときは、言いにくいので女性形にする

  • du + argent = de l'argent - お金 (argentは男性名詞だが、 du argentだと言いにくいのでde laを使う)

à/de + 定冠詞 の縮約

  • à + le = au
  • à + la = à la (そのまま)
  • à + les = aux

  • de + le = du

  • de + la = de la (そのまま)
  • de + les = des

特にdu, desは部分冠詞のdu、不定冠詞のdesと同じつづりなので注意(アクセント記号つけて分けてくれればいいのに)

  • café au lait - カフェオレ (中身はcafé à le lait 英語:coffee on the milk)
  • aux Champs-Elysées - オーシャンゼリゼ (歌の歌詞。中身は à les Champs-Elysées)

指示形容詞

「それ」「これ」「あれ」を意味し、対象の名詞に合わせて性数変化する

男性 女性
単数 ce cette
複数 ces ces

所有形容詞

持っている「人」と「対象」で性数変化する

人\対象 男性単数 女性単数 複数
1人称単数 mon ma mes
2人称単数 ton ta tes
3人称単数 son sa ses
1人称複数 notre notre nos
2人称複数 votre votre vos
3人称複数 leur leur leurs
  • C'est mon gâteau. - それは私のケーキです。
  • C'est ma fleur. - それは私の花です。
  • Ce sont mes gâteaux. - それらは私のケーキです。
  • Ce sont mes fleurs. - それらは私の花です。

比較級・最上級

意味 表現
優等 plus … que ~
同等 aussi … que ~
劣等 moins … que ~
最上 le/la/les plus … de ~
最低 le/la/les moins … de ~

には形容詞か副詞が入る

特別形

英語のbetter, bestのように、単語単体で比較級を表すものがある。なお、形容詞と副詞で2種類ある

意味 表現 英語の該当表現
通常 bon, bien good
優等 meilleur, mieux better
最上 le meilleur, le mieux best

疑問詞

疑問詞 英語の該当表現
quel/quelle/quels/quelles what
where
quand when
comment how
puorquoi why
combien how many
qui who
que, quoi what

命令形

  • 1人称複数(nous)、2人称複数(vous)への命令は現在形そのまま、2人称単数(tu)への命令は、現在形からsを取る

例外:

不定 tu nous vous
être sois soyons soyez
avoir aie ayons ayez

例外ではあるが、後述の接続法の活用と似ている

  • ただし、tuへの命令でも、中性代名詞を使って命令するときだけはsを取るルールを無視してsを付ける
    • Vas-y ! - そこへ行け!

人称代名詞の強勢形

1人称 2人称 3人称男性 3人称女性
単数 moi toi lui elle
複数 nous vous eux elles

強調や、前置詞のあとなどで使われる

直接目的語「~を」としての人称代名詞

1人称 2人称 3人称男性 3人称女性
単数 me te le la
複数 nous vous les les

間接目的語「~に」としての人称代名詞

1人称 2人称 3人称男性 3人称女性
単数 me te lui lui
複数 nous vous leur leur

語順

「~に」の対象が1・2人称の時は、それが先。3人称の時は後。

  • Je te le donne. - 私は君ににそれをあげる。
  • Je vous le donne. - 私はあなたにそれをあげる。
  • Je le lui donne. - 私は彼(彼女)にそれをあげる。
  • Je le leur donne. - 私は彼(彼女)らにそれをあげる。

おそらく、本当は「~に」の対象を先に言いたいが、音節が長いものは後にしたいので、2音節ある代名詞(lui, leur)はあとになっていると思われる。

色々な代名詞

関係代名詞dont

A dont B. ≒ B de A.

中性代名詞

単語 意味
le それ
y there
en of

指示代名詞celui

「~のそれ(that)」を意味する

男性 女性
単数 celui celle
複数 ceux celles

ceと強勢形(lui, elle, eux, elles)を合体させたつづりになっている

代名動詞

再帰代名詞を伴う動詞で、再帰動詞のような働きをさせる。

  • Je me lève. - 私は自分を起こす = 私は起きる。
再帰代名詞 1人称 2人称 3人称
単数 me te se
複数 nous vous se

非人称構文

表現 意味
Il pleut. It rains.
Il neige. It snows.
Il fait beau. いい天気です。
Il est deux heures. 2時です。
Il y a There is / There are

時制

複合過去

  • avoir/êtreの現在形 + 過去分詞 = 過去をあらわす
  • 2単語で複合させて表現するので複合過去と呼ばれる。
  • 大半はavoirだが、持っている(avoir)というより状態そのものを表す少数の動詞の場合はêtreになる
    • aller, venir, partir, arriver, sortir, entrer, monter, descendre, naitre, mourirなど

過去分詞の作り方

  • -er動詞の場合 -éにする
  • それ以外の場合は不規則なものが多いが、末尾の子音を削って最後の母音を変えるものが多い

聞き分けに慣れが必要な1音節の過去分詞

不定 過去分詞 意味
avoir eu 持つ
boire bu 飲む
devoir しなければならない
dire dit 言う
lire lu 読む
mettre mis 置く
naître 生まれる
pouvoir pu できる
rire ri 笑う
savoir su 知っている
voir vu 見る

この形の過去分詞も性数一致形を持つ。多くは同じ発音なので口頭では気にする必要はないが、sやtで終わる過去分詞は女性形でeが付くことで最後の子音が発音されるようになるので注意

例:

過去分詞男性形 読み 過去分詞女性形 読み
mis mise ミーズ
dit ディ dite ディット

代名動詞の複合過去

  • 代名動詞の複合過去は全てêtreになる。これは、avoirにしてしまうとアンシェヌマンなどが激しくなってなにがなんだか分からなくなるためと思われる。
  • そして、êtreは代名動詞のペアの間に割って入る。
単数 複数
1人称 je me suis levé nous nous sommes levés
2人称 tu t'es levé vous vous etes levé
3人称男性 il s'est levé ils se sont levés
3人称女性 elle s'est levée elles se sont levées

もちろん、jeであっても、自分が女性であれば過去分詞は女性形になる

過去分詞の性数一致

フランス語の基礎文法の中で最もややこしいルールで、仏検でも常に正答率が低いらしい。3パターンに分かれる。

  1. avoirの場合…基本的にしないが、強調構文や疑問文など、その過去分詞がかかっている対象の名詞が過去分詞より前にあれば性数一致させる
  2. êtreの場合…必ず性数一致する
  3. 代名動詞の場合…再帰代名詞(se)が直接目的語の場合、つまり動詞の対象が主語=seの場合のみ、その直接目的語(主語)に性数一致させる

多分、気持ちとしては過去分詞に「主役感」があるときは性数一致するような気がしている。(同じ表現グループの中に性数一致した名詞があればこっちはしないが、過去分詞が独立して表現グループを支えていれば、主役の自覚が芽生えて性数一致する) 慣れるまでは、過去分詞を書くときは常に気を張って頭の中で↑のフローチャートを構築して処理したほうがよさそう。 (ただ正直、このルールは撤廃して一切性数一致しないようにしてくれたら学習者はたいへん助かるのだが。)

単純過去

avoir/êtreを使わずに、1単語単体の人称変化で表す過去形。 複合過去が主流ではあるが、文語を中心に単純過去もしばしば使われる。

a型 (-er動詞)

1人称 2人称 3人称
単数 -ai -as -a
複数 -âmes -âtes -èrent

i型 (-ir, -re)

1人称 2人称 3人称
単数 -s -s -t
複数 -îmes -îtes -rent

u型 (avoir、être、pouvoir、vouloirなど)

1人称 2人称 3人称
単数 -us -us -ut
複数 -ûmes -ûtes -urent

不規則な変化が多いが、3人称単数で使われることが多いので、そこだけ覚えておけばいいかも

未来形

1人称 2人称 3人称
単数 -rai -ras -ra
複数 -rons -rez -ront

rが入る感じの人称活用

前未来

avoir/êtreの未来形+過去分詞

文の中で時間の前後関係があるとき、未来形の前に起きたことを表す

半過去

1人称 2人称 3人称
単数 -ais -ais -ait
複数 -ions -iez -aient
  • iが入る感じの人称活用

複合過去との違い

  • 複合過去=1度限り・ピンポイントの過去
  • 半過去=継続・反復、期間の定めのない過去

大過

avoir/êtreの半過去+過去分詞

文の中で時間の前後関係があるとき、半過去より前に起きたことを表す

条件法現在

1人称 2人称 3人称
単数 -rais -rais -rait
複数 -rions -riez -raient
  • 人称活用は、半過去+未来、rとiが両方入る感じ
  • 意味は、事実に反する仮定:もし~だったら~なんだがなあ

使い方

  • Si + 半過去 + 条件法現在
    • S'il faisait beau, je partirais. - もし天気がよければ、出発するのだが。(実際は天気が悪いので出発しない)

条件法過去

過去の事実に反する仮定

Si + 大過去 + 条件法過去

現在分詞

語尾

-ant

例外

不定 現在形
avoir ayant
être étant
savoir sachant

意味

~している状態の、~している途中の

ジェロンディフ

en + 現在分詞

意味

英語の分詞構文に近い。理由、原因、譲歩、条件などの意味だが、共通して、「前提」と「結果」の「前提」の部分を表すのに使われる。

接続法

直説法が客観的事実を言っているのに対し、接続法は主観・空想・未実現であることを明示する。 直説法と接続法で、(ニュアンスは違うが)どちらでも文法的に成立するケースもあるが、 一部の表現では必ず接続法でないといけないものがあるので、そこから取り掛かるのが良さそう (afin que, pour que, à condition que, avant que, bien queなど) ちなみに、接続法という名前は、queのあとに来る動詞の活用であることから名付けられた模様。

接続法現在

1人称 2人称 3人称
単数 -e -es -e
複数 -ions -iez -ent

活用は、直現3複の語幹 + 1・2人称複数は半過去、それ以外が直説法現在の語尾で、 例外はavoir/êtreのみで、なおかつ命令形に近い

avoir 1人称 2人称 3人称
単数 aie aies ait
複数 ayons ayez aient
être 1人称 2人称 3人称
単数 sois sois soit
複数 soyons soyez soient

接続法過去

avoir/êtreの接続法現在 + 過去分詞